徳島県の山あいに位置する神山町。豊かな自然と地域の営みを大切にしながら、新しい取り組みを次々と生み出している町として近年注目を集めています。その神山町でぜひ訪れていただきたい食堂が「かま屋」です。
「地産地食」を掲げるかま屋では、神山町や近隣で育った野菜やお米を使い、旬を大切にした週替わりランチを提供しています。実際に訪れて食事をいただいてきましたので、店内の雰囲気や料理の魅力、訪問の際のポイントを詳しくご紹介します。
かま屋の建物は木材をふんだんに使ったナチュラルな造りで、大きな窓からはやさしい自然光が差し込みます。店内に入るとまず感じるのは「居心地の良さ」。カウンター席からは厨房の様子が見え、スタッフの方々が丁寧に料理を仕上げていく姿に思わず安心感を覚えます。
一人旅でも落ち着いて過ごせますし、グループでの利用にも適しており、幅広い世代が訪れやすい雰囲気です。
かま屋のランチは週ごとにメニューが変わります。その日の食材の入荷状況や旬に合わせて献立が決まるため、何度訪れても新しい出会いがあります。
私が訪れた日のランチは以下のような内容でした。
シーザーサラダ
フライドポテト
かぶのピクルス
釜炊きゆずご飯
メイン料理:すだち鶏のオージュ谷風 白菜と人参
いずれも神山町や周辺地域の農家さんから仕入れた新鮮な食材が使われており、メニュー表には生産者の名前や産地までしっかりと明記されていました。料理をいただく前から「地域とつながっている」実感を得られるのは、かま屋ならではの特徴です。
運ばれてきたランチプレートは、まるで絵画のように美しい彩り。 メインの鶏肉はやわらかく煮込まれており、白菜や人参、しいたけの旨みとクリーミーなソースが重なり合います。すだちの爽やかな酸味が後味を引き締め、最後のひと口まで飽きることなくいただけました。
釜炊きのゆずご飯は、ふんわりと広がる香りが印象的。副菜のサラダやピクルスは素材そのものの新鮮さを感じさせ、ポテトは素朴ながら温かみのある味わいで、プレート全体のバランスを整えています。
ただお腹を満たすだけではなく、食べ進めるごとに「神山の風土」を感じられる時間でした。
かま屋の大きな特徴は、単なる地産地消ではなく「地産地食」という考え方を実践している点にあります。これは、地元で採れたものをただ使うのではなく、その食材を育てる農家さんの思いや地域の文化を一緒に味わうことを意味しています。
店内には「産食率(地域で育て、地域で食べた割合)」が表示されており、毎日の食事がどれだけ地域に根ざしているかを知ることができます。料理を通して地域の取り組みに参加しているような感覚になり、食後には温かい余韻が残りました。
食堂の隣には「かまパン&ストア」があり、自家製のパンや焼き菓子、地元の野菜や調味料などを購入できます。私は食後にパンを購入し、その日のドライブのお供にしました。地元の素材を使ったパンは素朴で味わい深く、旅のお土産にもぴったりです。
営業時間:9:00〜16:00(ランチは11:00〜、L.O.15:00)
定休日:月・火(祝日の場合は営業)
アクセス:徳島市街から車で約40分。駐車場あり
予算:ランチは1,000〜1,999円程度
ポイント:ランチタイムは混雑するため、開店直後の訪問がおすすめです。
(最新の営業情報は公式サイトをご確認ください)
「かま屋」での食事は、ただ美味しい料理をいただく時間ではありません。そこには農家さんの努力や地域の文化、自然の恵みがぎゅっと詰まっています。
旅先でその土地ならではのものを味わうことは、観光の大きな楽しみのひとつです。神山町を訪れる際には、ぜひ「かま屋」に立ち寄ってみてください。お腹も心も満たされる特別な体験になるはずです。
こちらの記事は実際の訪問体験に基づき、公式サイトの情報を参照して執筆しています。 正確な最新情報は、公式ページでご確認のうえ訪問をおすすめします。