金沢には加賀野菜や和菓子など数多くの名物がありますが、その中で異彩を放つ洋食が「ハントンライス」です。ケチャップライスにふんわり卵をのせ、揚げた魚のフライを大胆にトッピング。さらにケチャップとタルタルソースをたっぷりかけた、見た目にもインパクトのある一皿です。
このハントンライスを提供するお店はいくつかありますが、元祖といわれるのが片町にある老舗洋食店「グリルオーツカ」。昭和の時代から続く名店で、地元の人々はもちろん、観光客にも大人気のお店です。
訪れたのは平日のお昼でしたが、すでに店先には行列ができていました。待ち時間はおよそ30分。のれん越しに漂うバターや揚げ物の香ばしい匂いに、並んでいる間からお腹が鳴ってしまいます。
店内は昔ながらの喫茶店風で、木のテーブルや年季の入った椅子がどこか懐かしい雰囲気。昭和レトロな空気感に包まれながら、料理を待つ時間もまた特別なひとときです。
運ばれてきた銀色の楕円形プレート。ふわとろの卵、その上にサクサクの白身魚フライ。赤いケチャップと白いタルタルソースが大胆にかかり、思わず写真を撮りたくなるビジュアルです。
フォークを入れると、ケチャップライスの甘酸っぱい香りが立ちのぼり、卵とチーズがとろりと溶け出します。魚のフライは衣が軽く、中の白身はふっくら。タルタルの酸味とケチャップの甘みが絶妙に合わさり、どこか懐かしさを感じる味わいでした。
見た目のボリュームに比べて、食べ進めると意外に軽やか。最後まで飽きることなく食べきれ、「もう一皿食べられそう」と思えるほどでした。観光客にはもちろん、地元の常連さんに長く愛されている理由がよくわかります。
平日で約30分待ち、週末や観光シーズンにはさらに長くなるとのこと。開店直後や14時以降に訪れると比較的スムーズに入店できます。並ぶ時間も含めて旅の思い出になりますが、時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。
「グリルオーツカ」は、片町スクランブル交差点から徒歩5分ほど。近くには兼六園や21世紀美術館といった金沢を代表する観光スポットがあり、観光の合間に立ち寄るのにも便利です。
店の外観はシンプルですが、長年守られてきた伝統の味がここにあります。ハントンライスは写真映えも抜群で、SNSに投稿すれば旅の思い出がさらに鮮やかに残るでしょう。
次回訪れるときは、人気のエビフライやカニクリームコロッケなど、他の洋食メニューもぜひ味わってみたいと思いました。ハントンライスが看板メニューであることは間違いありませんが、長年続く洋食店ならではの豊富なラインナップも魅力です。
グリルオーツカのハントンライスは、見た目のインパクトと味のバランスの良さが光る一皿でした。老舗ならではの安心感があり、観光で訪れる方はもちろん、地元の方にとっても特別な場所であることを実感しました。
金沢を訪れる際には、ぜひこの元祖ハントンライスを体験してみてください。昭和から続く味わいが、旅の思い出をより一層豊かなものにしてくれるはずです。
こちらの記事は実際の訪問体験をもとに執筆しています。最新の営業時間や定休日は公式情報をご確認ください。