金沢といえば武家屋敷や茶屋街など、古き良き町並みが今も息づく街。その一角、長町エリアにひっそりと佇む「町屋café くりの樹」は、築100年ほどの町屋を改装した小さなカフェです。ここでいただけるランチは「おひつごはん」のセットのみ。シンプルながら心を満たす料理と、町屋ならではの落ち着いた雰囲気が魅力の隠れ家スポットをご紹介します。
暖簾をくぐると、木の温もりを感じる空間が広がります。大きな窓の外には小さなお庭があり、季節の移ろいを眺めながらゆったりと過ごせるのが特徴です。 店内の席数は12〜14席ほどと限られており、静かな時間を大切にできる空気感が漂っています。金沢の町屋らしい情緒と、カフェならではの温かさが絶妙に調和した空間です。
こちらのランチは潔く「おひつごはん」のセット一択。主役は、炊きたてを木のおひつに盛り付けた艶やかなごはんです。お米は能登産の「ミルキークイーン」または石川県ブランド米「ひゃくまん穀」。どちらも粘りと甘みが特徴で、口に運ぶたびに豊かな香りが広がります。
おひつのごはんに添えられるのは、旬の食材を生かした小鉢や汁物。彩り豊かな品々は、まるで小さな芸術作品のよう。ひと品ずつ丁寧に仕上げられた料理からは、素材を大切に扱うやさしさが伝わってきます。
ご飯を主役に据えたランチは珍しく、だからこそ「ご飯そのものを味わう」贅沢を存分に感じられました。
おひつごはんランチは税込2,200円前後。量も程よく、しっかり満足感を得られる内容です。 さらに、+500円でデザートセットを追加することも可能。デザートと珈琲または紅茶が付いて、食後のひとときをゆったり過ごせます。旅の合間に少し贅沢なランチを楽しみたい方にはぴったりです。
営業時間:月・火・木・金・土の11:30〜15:00(L.O. 15:30)
定休日:水曜・日曜・祝日(不定休あり)
席数:12〜14席と少なめ。事前予約がおすすめ
アクセス:北陸鉄道「野町駅」から徒歩約20分。最寄りは「香林坊」バス停
駐車場:なし。近隣のコインパーキングを利用
小さなカフェのため、予約してから訪問するのが安心です。特に週末や観光シーズンは混み合うことが多く、予約をしておけばスムーズに案内してもらえます。
炊き立てのおひつごはんは、最初のひと口から「お米ってこんなに美味しかったのか」と思わせてくれるほど。小鉢は味付けが優しく、どれもご飯が進む組み合わせです。
さらに、町屋の落ち着いた空間でいただくことで、料理の味わいがより深まるのを感じました。観光地での食事は華やかなものが多いですが、ここではあえて「日常の延長にある贅沢」が楽しめる印象です。旅の途中で心がふっと落ち着く、そんなひとときになりました。
「町屋café くりの樹」は、金沢らしい町屋の雰囲気と、お米の美味しさを最大限に引き出したランチが楽しめる特別な場所です。観光の合間に立ち寄るのはもちろん、地元の人の日常にも溶け込んでいるような温かさが感じられました。
落ち着いた空間で心をほぐしながら、美味しいごはんを味わえる――そんな贅沢を求める方におすすめしたい一軒です。金沢を訪れる際には、ぜひ「おひつごはん」を体験してみてください。
こちらの記事は実際の訪問体験と店舗情報をもとに執筆しています。最新の営業情報は公式ページや直接のお問い合わせにてご確認ください。