
大阪旅行の2日目は、足を少しのばして兵庫・六甲山へ。
梅田でお腹を満たし、レトロなケーブルカーで山上へ。神戸港の大パノラマと、山上にたたずむ「音の博物館」をめぐった一日です。
都市のすぐ裏に、これほど豊かな景色と時間が広がっているとは。六甲山のいいとこ取りを、ブログの取材を兼ねて記録します。
スタートは大阪・梅田の阪急三番街。
地下街のフードコートで、味噌カツ定食をかきこみました(¥2,000)。
濃い色の味噌だれがたっぷりまとわりついたサクサクのカツに、白いごはんと味噌汁。隣にはお好み焼きとピザまで欲ばって、山登りの前にしっかり燃料を補給します。
梅田から電車を乗り継いで、いざ六甲山の麓へ向かいます。
六甲ケーブル下の駅から、登山の主役・六甲ケーブルに乗り込みます(バス・ケーブル合わせて¥2,070)。
クラシックな客車の天井には、色とりどりの丸い提灯ランプ。窓の外を、急勾配の線路と濃い緑がぐんぐん流れていきます。
ガタゴトと約10分で、標高およそ740mの山上へ。ひんやりした空気が、ほてった頬に気持ちいい。
山上のハイライトは、なんといってもこの眺め。
六甲ガーデンテラスの展望台に立つと、眼下に神戸の街と港、その向こうに大阪湾までが一枚の絵のように広がります(展望¥830)。
足元では銀色のすすきが風に揺れ、秋の山上らしい乾いた光が降りていました。
リフトに乗れば、山上の園地をのんびり空中移動。眼下にアスレチックや庭園が箱庭のように見え、移動そのものが楽しいアトラクションでした。
次に向かったのは、山上にたたずむ「六甲山 森の音ミュージアム」(入館¥1,500)。
ここは、自動で音楽を奏でるアンティーク楽器を集めた、世界でも珍しい「音の博物館」です。
紙のロールがくるくる回り、誰も触れていないピアノが勝手に旋律を弾き出す。鍵盤がひとりでに沈むたび、背筋がぞくっとします。
圧巻は、ベルギー生まれの巨大なダンスオルガン。アコーディオンや太鼓を従えた極彩色の機械が、ホール全体を震わせるほどの音量で陽気なワルツを鳴らしました。
フロアの隅では、白塗りのピエロ人形がぎこちなく本をめくり、こちらをじっと見つめてきます。どこか懐かしく、少し不気味で、忘れがたい。
館を出れば、すすきと小川の里山庭園。さっきまでの賑やかな機械音が嘘のように、風の音だけが残りました。
日が傾きはじめ、再びケーブルカーで山を下ります。
窓の正面に、まっすぐ落ちていく線路。前のめりになる感覚に、思わず手すりを握りました。
ふもとから電車に揺られ、夜にはJR大阪駅へ。山の静けさから一転、にぎやかな駅のざわめきが、旅の終わりを告げていました。
都市の真裏で、絶景と自動演奏の音楽、そして里山の静けさをいっぺんに味わえる六甲山。半日あれば十分に楽しめる、コスパのいい山上リゾートでした。
梅田の食からケーブル、山上の博物館までを一日の動線でつないだ今回の取材。同じルートをたどる読者の道しるべになればうれしいです。