
東京に着いた初日は、ブログの取材をかねて、公園のなかにある図書館を二つめぐりました。
訪ねたのは、日比谷公園と、広尾の有栖川宮記念公園。どちらも緑に包まれて静かに建つ、居心地のいい図書館です。
観光名所を急ぎ足でめぐる前に、まずはこの街の背景を知る一日にしました。
最初に向かったのは、日比谷公園の一角に建つ「日比谷図書文化館」。
官庁街とビジネス街にはさまれた日比谷公園は、噴水と芝生がひろがる都心のオアシスです。木立のあいだを抜けていくと、とがった三角形の建物がすっと見えてきました。
ガラス張りのモダンな建物が、木立の緑を映して建っています。入口の柱には企画展の和柄ポスターが下がり、文化施設らしい落ち着いたたたずまいです。
三角形の鋭いシルエットは、公園の緑とビル街のちょうど境目。一歩なかへ入ると、外の喧騒がうそのように静まりかえっていました。
地下の歴史コーナーで、千代田区やお濠端の移り変わりを少し調べます。古い地図や写真をめくると、いま歩いてきた公園や日比谷の街並みがどう生まれたのかが見えてきて、旅の記事を書くときの確かな下地になりました。
続いて電車で移動して、広尾の有栖川宮記念公園へ。大使館の多い静かな高台にあり、木立に囲まれた坂をのぼった先に、「東京都立中央図書館」があります。
都内でも有数の蔵書を誇る図書館で、入口のガラス扉には公園の緑がやわらかく映り込んでいました。
旅行や地理の棚をたどると、これから歩きたい街の資料がずらり。スマホの検索とは違う、棚をまるごと見渡して、思いがけない一冊に出会える楽しさがあります。
窓の外には公園の木立がひろがり、鳥の声を聞きながらページをめくっていると、ここが東京のど真ん中だということをつい忘れてしまいそうでした。
公園の木陰でひと息ついてから、また本の森へ。緑と活字を行き来する、ぜいたくな午後でした。
名所を駆け足でめぐるより、図書館で街の成り立ちを知ると、翌日からの景色の見え方が変わります。
ブログの取材は、こうした地道な下調べから。次の日からの東京歩きが、ぐっと楽しみになりました。