
金沢から新幹線に揺られて、東京へ。
初日は、中野・野方の下町から西池袋まで。餃子で腹ごしらえして、町の温泉でひと風呂、〆はインドカレー。観光名所をめぐるというより、東京の“ふだん着”の一日を歩きました。
東京駅から電車を乗り継いで、中野区の「野方餃子」へ。木のテーブルが落ち着く、町の食堂といったたたずまいです。
運ばれてきたのは、羽根が大きくぱりっと広がった焼き餃子。つやのあるごはんと、なめこと三つ葉のお味噌汁、紅生姜がついた定食仕立てです(¥1,078)。
こんがりきつね色の餃子が六つ、薄い羽根でつながって一枚の花のよう。ひとつ持ち上げると、隣の羽根までぱりっと割れる音がしました。
皮はもっちり、羽根の縁はカリッと香ばしい。にんにくの効いた餡をほおばってごはんをかき込めば、長い移動の疲れがふっとほどけました。
お腹が落ち着いたら、ぶらりと近くの町の温泉へ。
コンクリートの壁に、ゆの字をかたどった大きな湯のマーク。観光地のスパではなく、地元の人が下駄ばきで通うような一軒です(入浴 ¥1,000)。
昼下がりの空いた湯にゆっくり浸かって、気づけば二時間。旅先でこそ、何もしない時間がぜいたくに感じます。すっかり体がほぐれました。
こぢんまりとした館内には、地元の常連さんがちらほら。観光の合間というより、その町の暮らしにすっと混ぜてもらったような時間でした。
椎名町駅で電車を乗り換えて、日が暮れたころ西池袋の「アグニ」へ。
大きく焼きあがったナンに、ほうれん草のサグと、まろやかなバターチキン系の二種カレー。サフランライスと彩りサラダも添えた、にぎやかなターリーです(¥1,840)。
ちぎりたてのナンでとろりとしたカレーをすくえば、スパイスの香りがふわりと立ちのぼります。餃子、温泉、そしてカレー。欲ばりで盛りだくさんの初日になりました。
東京の何気ない一日にこそ、その土地のリズムがにじみます。翌日は、街なかのオアシス・新宿御苑から中野へと続きます。