
初夏の京都を、朝から晩まで欲ばりに歩いた一日です。
スパイスの効いたカレーで目を覚まし、嵐山の川風に吹かれ、町なかのカフェでひと休み。締めはやっぱり炭火の香り。
食と景色をひと筆書きでつないだ、5月末の京都を振り返ります。
スタートは、烏丸・錦エリアの「SPICE GATE」。
白い暖簾をくぐると、アンティークのガラスケースに和紙のような質感の壁、そして工業系のランプ。京都の町家を今っぽく仕立てた、静かでかっこいい一室です。
朝からいただいたのは、魚介の出汁がきいたスパイスカレー(¥1,380)。祇園のお茶屋直伝というバスマティライスに、出汁とスパイスがじんわり重なります。
眠っていた体が、ひと口でしゃきっと目を覚ましました。
腹ごしらえのあとは、電車を乗り継いで嵐山へ。
渡月橋の上から見下ろす桂川は、新緑の山を映して白い早瀬を立てていました。思わず足が止まる気持ちよさです。
屋形船(¥2,000)で川面まで降りると、目線が水と同じ高さに。対岸の緑が、ぐっと近づきます。
川辺のテラスでは、水色や若草色の薄い布が、青もみじ越しの光にふわりと揺れていました。
午後は少し中心部へ戻って、西院の「39s Café」へ。
こんがり炙ったレモンメレンゲのタルトと、ほろ苦い抹茶ラテ(¥1,133)でひと休み。木のオーバル皿、棚にはコーヒー豆の瓶とハンドミルが並びます。
観光地の喧騒から一歩外れた、地元の人がふらっと立ち寄るような空気。歩き疲れた足が、すっとほどけていきます。
日が暮れたら、錦・河原町エリアの「炭炉まん」へ。
八角の黒い器にのって出てきたのは、炭火でこんがり焼いた牛肉。粒マスタードのソースをまとい、香ばしい舞茸となめらかなマッシュポテト、白髪ねぎと赤かぶが彩りを添えます(¥10,648)。
朝のカレー、昼の甘味、そして夜の炭火。一日の振れ幅まるごとが、この一皿でぐっと締まりました。
渡月橋から錦市場まで、食べて、歩いて、川に揺られた初夏の京都。
一日の動線をまるごと残しておくと、同じルートをたどる人の道しるべにもなりそうです。翌日は、朱の千本鳥居が待つ伏見稲荷へ。