
雪の山代温泉で、茶筅を振る|つららの通りと青いカフェのカレー
動画を見ながら、思いきって茶筅を振ってみます。
冷えた指先で、自分の抹茶を点てる。雪の温泉街を歩いたあと、旅館の畳の上で過ごした、ちょっとした楽しみでした。うまく泡立った一杯を手にすると、気軽な体験でもうれしくなります。
2026年2月8日、金沢から車で南へおよそ40分。加賀の山代温泉に、冬の日帰りさんぽへ出かけました。
つららの下がる通りを、ゆっくり歩く
迎えてくれたのは、雪をかぶった温泉街でした。通り沿いの生垣には、透き通ったつららがびっしり。細いつららの列が、雪の縁から下がっています。
街灯や古い商家も雪化粧していました。車の通りが少なく、雪を踏む、きゅっという音がよく響きます。通りを歩く速さまで、ゆっくりになるような静けさでした。

山代温泉は、約1300年前の開湯が伝わる古湯です。九谷焼や北大路魯山人との縁もある街で、温泉観光協会の紹介からも、その長い歴史がうかがえます。
この日は、歴史を読むより先に、目の前の雪景色を眺めていました。レトロな商店の看板がぽつぽつと見え、湯けむりの匂いもほんのり漂います。歩くだけで、心がほどけていきました。
旅館の畳で、自分の一杯を点てる
立ち寄った旅館には、セルフで抹茶を点てられる場所がありました。畳の和室に鉄釜と茶道具が置かれ、釜では湯がしゅんしゅんと沸いています。
置いてある動画を見ながら茶筅を振ると、抹茶の表面にきめ細かな泡ができました。手順を見て、自分でもやってみる。その気軽さが、肩肘張らずに楽しめてよかったところです。

ほろ苦い抹茶が、冷えた指先まで温めてくれました。好きな場所でいただけるので、和室でひと休み。雪の通りから畳の上へ移ると、落ち着いて一杯を味わえます。
青い板壁のカフェで、温かいカレー
温泉街の一角で、青い板壁のカフェにも入りました。雪をかぶった入口には、丸い「OPEN」の看板と、ストライプのオーニング。
白い雪のなかで、青い壁がよく目に入りました。そこだけ絵本のようなかわいらしさがあって、入口を写真に残します。

いただいたのは、じっくり煮込んだスパイスカレーです。香りがふわっと立ち、ほろりと崩れる鶏肉と、まろやかな卵がのっていました。
ディルを散らしたごはんと福神漬けも添えられて、皿の上にはいくつもの色。雪景色のなかを歩いてきた体に、スパイスの熱がじんわりしみわたります。

前日は金沢市内で食をめぐり、この日は加賀の温泉街へ。冬のさんぽの最後にいただいたのは、青いカフェの、あたたかいカレーでした。



