
雪の金沢で、煮物の温かさにほどける|昼の御膳と片町の海鮮サラダ
外は雪。目の前のお膳には、あたたかい煮物と白いごはん。
底冷えする金沢の冬には、この組み合わせがうれしくなります。2026年2月7日は、地元の街を歩きながら食をめぐりました。昼は市内の和食店へ、日が暮れたら片町へ。料理の温かさと、夜の一皿の華やかさが残る一日です。
冷えた体に、煮物の一膳
お昼に選んだのは、金沢市中心部の和食店でした。木のぬくもりのある店内で、煮物から湯気が静かに上がっています。雪のなかを歩いてきたあとに、席についてお膳を見る。それだけでも、ほっとする時間でした。
煮物は、治部煮を思わせる一皿です。鴨と思われる肉や麩、青菜が、わさびのきいた甘辛い煮汁をまとっています。すだれ麩に煮汁がよくしみた食感も、冬の体にじんわりしみました。
治部煮は、肉を野菜や麩とともに煮込む、金沢の郷土料理として知られています。金沢市観光協会の紹介でも紹介されている料理です。
隣には、寒ブリらしき刺身と、つやつやのごはん。味噌汁にも麩が浮かんでいました。あたたかい煮物を食べ、刺身をつまみ、ごはんへ戻る。お膳のなかに、北陸の冬の食がまとまっています。

芯から体がほどけていくような昼食でした。華やかな見た目以上に、煮汁を吸った麩と、ごはんの温かさが印象に残っています。
片町の夜、ガラスの器に盛られた海鮮
日が暮れて向かったのは、金沢の繁華街、片町です。細い路地に割烹や小料理屋の灯りがにじみ、雪の夜はしっとりとした風情がありました。
雪あかりの路地を抜けて入った店で、海鮮サラダをいただきます。ガラスのボウルの下にはみずみずしいサニーレタス。その上に、ブリ、サーモン、真鯛を思わせる切り身が、ごろりとのっていました。
とびこのプチプチとした食感に、ひらりと添えられた金箔。刺身をサラダとして食べる一皿は、見た目にもハレの日のようでした。

出汁のきいたドレッシングをまわすと、魚と葉野菜を一緒に楽しめます。昼の煮物とはまた違う、みずみずしい食感がうれしい夕食でした。
金沢の名産である金箔は、国内生産の大部分を占めると市観光協会でも案内されています。料理にひとひら加わるだけで、食卓にも金沢らしい華やかさが出るのだと感じます。
翌日は、加賀の山代温泉へ。雪の夜の海鮮サラダで、金沢を歩いた一日を閉じました。




