
雪がちらつく2月の金沢。底冷えする一日を、あたたかい食でめぐりました。
昼は加賀の郷土の味でほっと一息、夜は片町でまばゆい一皿。
地元・金沢の冬グルメを、市内をぐるりと歩きながら味わった一日です。
お昼に選んだのは、金沢市中心部の和食店。
木のぬくもりのある店内には、ことことと煮物の湯気が静かに立ちのぼっていました。
お膳の主役は、とろりと煮含めた治部煮らしき煮物です。鴨や麩、青菜が、わさびのきいた甘辛い煮汁をまとっています。すだれ麩のしみしみした食感が、冬の体にじんわりしみました。
治部煮は、加賀百万石の城下町・金沢に伝わる冬の郷土料理。とろみのある煮汁が冷めにくく、雪国の食卓を支えてきた一皿だと言われています。
隣には鮮やかな寒ブリらしき刺身、つやつやのご飯、麩の浮かぶ味噌汁。北陸の冬の海の幸が、ひと膳にぎゅっと詰まっていました。
外は雪。あたたかい煮物とご飯で、芯から体がほどけていきます。
日が暮れて、向かったのは金沢いちばんの繁華街・片町。
細い路地に割烹や小料理屋の灯りがにじみ、雪の夜はしっとりとした風情に包まれます。
雪あかりの路地を抜けて入ったお店で出てきたのは、ガラスのボウルに盛られた海鮮サラダでした。
みずみずしいサニーレタスの上に、ブリ・サーモン・真鯛らしき切り身がごろり。とびこのプチプチに、金沢らしい金箔がはらりと舞います。
出汁のきいたドレッシングをまわせば、刺身がそのままサラダに早変わり。見た目も味も、ハレの日のような一皿でした。
金箔は金沢の名産で、国内産のほとんどがこの街でつくられているそう。料理にひとひら添えるだけで、ぐっと特別感が増します。
昼は郷土の煮物、夜は金箔の海鮮。地元・金沢の冬の食を、市内を歩いてまるごと味わった一日でした。
翌日は、足をのばして加賀の山代温泉へ。雪の温泉街さんぽの記録に続きます。